2009年08月28日

身も心も舌も満ち満ちて

 先週に続き、山形の旅・後編をお届けします。かなり長文になりましたが、最後までおつき合いください。

 酒田の朝の目覚めは、広がる青空のように爽やかだった。舌と脳裏に刻まれたル・ポットフーの余韻を楽しみながら、車を鶴岡市の羽黒山・出羽神社へと走らせた。郊外に出ると一面の田んぼである。異常気象ではっきりしない天気が続くなか、久々に降り注ぐ太陽を全身で浴びようとするかのように、穂先をのぞかせたばかりの稲は風に揺れるのであった。
H1.jpg H2.jpg
 古くから山岳修験の山として知られる出羽三山は、歴史に翻弄された山でもある。明治政府の出した廃仏毀釈令によって、寺院や仏像の徹底した破却が行われ、千年に及ぶ神仏習合の伝統を消し去った。杉並木のなかに簡素ながらも力強くそびえる国宝・五重塔は、悲しみの無言の証言者かもしれぬ。

H3.jpg
 五重塔から約50分で山頂につくが、2000数百段という途方もない石段の数を聞き、すごすごと引き返した。弁解するわけでないが、参拝客の多くは駐車場から有料道路を使って行く。
 山頂で東北随一のスケールを誇る社殿や鐘楼に目を丸くした後、湯殿山へ向かう。ナビで検索したらいくつかあったが、「どうせ近くだろう」とたかをくくり「湯殿山大日坊」と適当に設定する。が、これがとんだ間違いであった。
H4.jpg
 車は、湯の湧き出す巨大な岩がご神体の湯殿山神社から離れた、ガイドブックにも載っていない寺に着いた。山門は古寂びた風情だが、紫陽花の咲く小道に続く本堂は、寺とはちょっと形容しがたい建物。近づくと、中から巡礼とおぼしき白装束の一団が出てきた。
 偶然訪れた寺は、空海が唐から帰国して間もなく創建した真言宗・大日坊瀧水寺で、湯殿山の本寺という名刹なのであった。空海が持ち帰ったとされる金銅の釈迦如来立像をはじめ、運慶作の仁王像など多くの仏像が鎮座する。家光の将軍相続を祈祷するため、春日局がはるばる江戸から足を運んだという由緒も残る。
 さて、読経の後におはらいを受け、かしわ手を一回打って拝むという作法にも驚いた。やはり神仏習合の寺であり、それゆえ維新の文化弾圧でひどく荒れたそうだ。その狂気から、これらの仏さまを守り伝えてきた先人の辛苦はいかばかりであったか。

H5.jpg
 僧の丁寧な説明を聞き、帰ろうと思ったら、「こちらへぜひ」と案内された。別室にあったのは、江戸後期、生身のまま土中で入定し仏となった真如海上人だった。即身仏となるために、十穀を断ち、木の実と水、塩だけで徐々に体を枯らす木食の行をし、防腐剤となる漆の樹液を飲んで地中3メートルの石室に入る。亡くなってから3年3カ月の歳月も修行期間であり、掘り出され洗い清められてようやく即身仏となる。
 その凄まじいまでの荒行に言葉を失った。左目がくぼんでいた。目の病が流行し村人が苦しむのを見て、上人が平癒を祈り片目を抉り取ったためだという。日本の舵取りを担ういまの政治家に、これだけの覚悟と自己犠牲の肝力があるだろうか。気高い上人の姿にわが身はすくみ、やがてありがたい気持ちが体中に満ちていった。不思議な感覚だった。

H6.jpg H7.jpg
 こんなところへ来られたのは、なにかのお導きとしかいいようがない。心が満ち足り、後はなにも見なくてもよくなった。山形市郊外の上山温泉までノンストップで走り、「名月荘」へ入る。ここも異空間だった。ヴィラのように静かな客室、秋を先取りして虫籠などの飾り物が置かれた廊下、湯音が心地よく響く浴場など、どれもが洗練されている。

H8.jpg H9.jpg
 晩ご飯は、夏の恵みを心の底から味わった。刺身に出た石ガレイの縁側は驚くほど厚く、歯を押し返す身と甘みとのせめぎ合いを楽しんだ。野菜もふんだんに登場した。冬の野菜は土が育てるが、夏の野菜は太陽が育てる。調理は、その鮮やかな色とみずみずしさを殺さないことがポイントだが、凝りすぎて台無しにする店が多い。その点、名月荘は手のかけ方が絶妙だった。夏野菜のうま出汁ゼリーかけ、丸茄子の揚げ出し、トマトと太モズクのマリネ風酢の物などに舌鼓を打たせてもらった。

H10.jpg H11.jpg
 合わせる酒は、いまや吟醸王国の名に恥じない山形の銘酒から「出羽桜大吟醸本生」と「くどき上手純米吟醸」。するすると喉を流れ落ちていく美酒と美肴の競演に時のたつのも忘れた。夕方までヒグラシが鳴いていた庭の主役はいつしかアマガエルに替わり、窓の向こうはすっかり夜のとばりが降りていることに、言われて気づくのであった。

H12.jpg H13.jpg
 図書室に備え付けられた宿泊者の感想帳を見た。「修善寺・あさばと名月荘にしか泊まらないことにしました」「2回目の訪問です。今日から5連泊します」などなどの書き込みがあった。弾むように記された筆跡に、「ごもっとも」とうなずくほかなかった。
posted by ライターハウス at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 専務日記

2009年08月18日

嗚呼! ル・ポットフー

 夏休みを利用して、はるばる山形県まで往復1100qを旅してきた杉村です。今回の目的は、信仰のふるさと出羽三山をめぐり美味を満喫するという趣向。その模様を上下2回でお届けします。

 北陸自動車道と国道7号をひたすら北上し、初日の目的地は金沢から約450q離れた庄内の港町酒田である。
S1.jpg

 なぜ、酒田か? 写真家土門拳の記念館も、「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」とまでうたわれた豪商本間家もそうだが、開高健、山口瞳、丸谷才一ら名だたる食通を虜にしてきたフランス料理店「ル・ポットフー」に行くためであった。
S2.jpg S3.jpg

 この店がなぜ酒田で生まれ、どうすごいかは、岡田芳郎著『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(講談社)という滅茶苦茶長いタイトルの本に詳しいが、佐藤久一という超ケタ外れの夢追い人が酒田にいたことに尽きる。
S13.JPG

 その名店でのディナーとあって、期待に胸と腹の虫が高鳴った。どん欲に食そうと、昼を蕎麦でセーブしたことも原因らしかった。店は駅前の東急イン3階、エレベータの扉が開くと、もう店内という変わったつくりである。

S4.jpg
 前菜は、天然岩ガキのレモン添え。貝殻と貝柱の間にナイフを入れ、身を切り離す。あやしく光り輝く身を口に入れた瞬間、新鮮さに舌が踊った。そして、かむほどに濃厚なエキスが口中に広がり、牡蠣が海のミルクと呼ばれる訳を存分に体感させられた。酒は、地元の「秘蔵初孫」をおいてほかない。凜とした気品とフレンチにもたじろがない芯の通った味は、日本酒の王様と言えよう。

S5.jpg S6.jpg
 次が、才巻えびのソテーから甘鯛のポワレ。「えびの殻は手でむしってどうぞ」とのアドバイスもあり、遠慮なく手を汚して食らいつく。お高くとまる雰囲気はまるでなく、「酒田から1時間圏内の旬のものを使い、食材の美味しさを引き出すことを心がけています」とソムリエの小松俊一さん。甘鯛は、香ばしく焼いた身とかけたソースの相性が絶妙で、たっぷり詰まった頬の身と骨のまわりのコラーゲンまでしゃぶり尽くした。

S7.jpg
 “口福”を表す言葉探しに苦労しているところへ、今度はローストした鮑。小ぶりだが、丸々1個を食べる贅沢さよ!鮑も貝柱をナイフではずし、分厚い身に刃を立てる。濃い目のクリームソースと絡まった鮑の滋味と、歯にしがみつくような食感。もはや旨さを表現することを放棄し、食べることに一心になった。

S8.jpg S9.jpg
 次に登場したのは、平爪ガニのクリームスープ。金沢のフレンチに慣れた舌には、少々、くどく感じたが、夏の磯の香が口から鼻へ一気に駆け抜けた。続く山形牛のフィレステーキはトリュフソースで。つけ合わせたかわいい玉ネギの甘いこと。パンでソースを何度も拭っては食べ、皿はほとんどピカピカの状態で下げられた。

S10.jpg S11.jpg
 お口直しのシャーベットの後、デザートには焼きプリンが出た。満腹のはずなのにちゃんと収まり、かくしてル・ポットフーの真夏の夜の夢は過ぎた。

S12.jpg
 旅の初日に、麻雀で言えば配牌即あがりの「天和」という役満気分だ。これで、翌日泊まる上山温泉「名月荘」の採点ラインが相当に厳しくなってしまった。
「どうか竜頭蛇尾に終わりませんように」。一抹の不安を抱え、眠りについた。

posted by ライターハウス at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 専務日記

2009年08月12日

押尾学事件で亡くなった美人ホステス

 発売中の『週刊ポスト』によると、名古屋でネイル・アーティストとして働いたが、23歳で結婚して石川県に転居し、数年前まで金沢市内のキャバクラに勤めていたそうです。へぇー。
posted by ライターハウス at 19:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 社長日記

2009年07月21日

茶の湯の愉しみ

 昨年、本の取材で大樋焼本家10代・大樋長左衛門さん(文化功労者)からじっくりとお話をうかがう機会を得、それをきっかけに茶道を始めた杉村です。今回は、超初心者がお届けする茶の湯の愉しみです。どうかおつき合いを。

 教養の乏しさを暴露するようで恥ずかしいが、習い事はこの齢にして初めてである。知人から紹介された裏千家の教室へ、この2月から月3回のペースで通っている。「出された茶をちゃんと頂ければ」という暢気な気持ちで出かけ、自分が点前をしなければならないことに後から気づくという愚かさであった。
T1.jpg

 稽古は、襖の開け閉て、お辞儀の仕方、畳の歩き方からである。右手のところが左手になったり、右足で踏み出すところが左足になったりと、頭の中は混乱の極みで散々の出来。そして、汗だくになって奮闘、初めて点てた盆略点前の一服を、先生は実においしそうに飲んでくださるのであった。味のほどは定かでなく、その心遣いに感謝するほかなかった。
T2.jpg

 あれからはや半年が過ぎた。毎回、自分の稽古と先輩の稽古を拝見して過ごす約2時間半は、あっという間にたつ。無心と言っていいかもしれない。床にかかる掛け物の禅語を味わい、花入れで命の輝きを放つ草花を慈しむ。季節で変わる釜や茶碗、棗などのお道具を眺めると、茶の湯が日本人の美意識の結晶であることを間違いなく実感できる。
T3.jpg

 覚えが悪いということもあり、家で謙虚に復習をする。そのための道具を買うのも愉しみのひとつだ。今は風炉の季節。電熱式の風炉に時代を帯びた釜を乗せ、湯を沸かす。沸き立つ湯音が耳に心地よく、「閑座聴松風」の境地には遠いが、どんどんと気が静まっていく。
T4.jpg

 夏らしい平茶碗は、水辺の芦と蛇篭の絵が涼味を誘う。蓮の葉をかたどった唐銅製の蓋置も夏にぴったりの風情。染付が涼しげな水指の肩にあしらわれた二閑人は、愛嬌があってお気に入りのデザインである。
T5.jpg

 金沢の梅雨明けはまだだが、外では木槿がにぎやかに咲き、本格的な夏の訪れを告げる。稽古はこのところ、茶筅かざり、葉蓋点前、貴人点と薄茶でも毎回変わり、困惑の度を増している。さらに、11月の炉開きから、「そろそろ濃茶を始めますよ」との予告を受けている。
T6.jpg

 なかなかに大変だが、それらも含めて愉しんでやろう。茶の湯の真髄は「和敬清寂」である。相手をうやまい、一碗のために心を尽くす。未熟者ながらも、この気持ちを忘れずに励みたいし、仕事に向き合う姿勢もかくありたいと思っている。

posted by ライターハウス at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 専務日記

2009年07月02日

大人の宿

 「お洒落で粋ないい宿を教えて」。最近、友人から聞かれました。「だれと?」なんて聞き返せません。きっと夏休みに家族と行くのでしょう。そこで、今回は杉村とっておきの大人の宿を紹介します。

machiya1.jpg machiya2.jpg
 5月半ば、久しぶりに京都へ行ってきた。行き先は、世界文化遺産の延暦寺と西本願寺、御所と桂離宮。齢を重ねるにつれ、日本人の精神性と美意識に触れたいという欲求が膨れあがっている。同時に、せっかくの旅を台無しにしないよう、宿選びには念を入れるようになった。
 旅行雑誌はあてにしない。美食家たちの書いた本を何冊か手元に置き、行き先に応じて選ぶようにしている。今回の京都は、柏井壽の「極みの日本旅館」にある要庵西富屋を予約した。

machiya3.jpg machiya4.jpg
 錦市場の近くにあり、町なかに溶け込むような格子戸の脇にかかった小さな看板を見て初めて「ここが要庵!」と気づく。まことに、つつましやかな外観なのである。そして、細い路地庭の石畳を踏んでいくと玄関があり、中に入ると立派なワインセラーが今日の飲み手たちを待っているのが見えた。
machiya5.jpg machiya6.jpg
 坪庭のついた部屋が洒落ていた。李朝風の飾り箪笥に文房四宝が調度として置かれ、備前の壺に緑が生けられている。踏み込みの6畳にはソファーと棚があり、クラシック、ジャズなどのCDと本がさりげなく飾られていた。
 人を圧する緊張感やこれ見よがしの華美さは毛ほどもない。京都へ来て心底くつろげる小粋な空間が用意され、そのセンスと心配りに感心するのであった。

machiya7.jpg
 西富家の懐石は「キ(季節)、キ(機会)、キ(器)の心」を大切にしている。椀物は、初夏の京らしく鱧のくずたたきが出た。フォアグラを練り込んだ胡麻豆腐、濃厚に香り立つヨモギ麩も入り、その味の絶妙なハーモニーにいきなり圧倒される。お造りのサイマキエビはこりこり感がたまらず、焼いた頭がまた香ばしい。アイナメは皮をさっと火で炙るなど、おいしくいただくための手間が惜しみなくかけられているのである。
machiya8.jpg
 絶品は鮎の塩焼きであった。「今頃の鮎など脂がなくて食べられるか!」という己の先入観を恥じるほかなかった。笹を生けた美濃(と思う)の緑の器に運ばれて若鮎が出てきた。ダイナミックに頭からいく。骨は柔らかく、難なくかみ切れる。そして、かむほどに脂の甘さがわき出してくる。
 火で焼き尽くして鮎の命は食に変わる。この甘さは、若鮎が楚々とした姿態の中にもしっかりと秘めた命そのものに思えた。大げさかもしれないが、生かされてあるこの命の重さをあらためてかみしめるのであった。

machiya9.jpg
 八寸は白釉の四角い器に盛りつけた9種の味覚と彩りの競演であり、焚合のヒロウズには細切りにした大原筍を忍ばせ、水菜、グリンピース、山椒と小鉢の中で緑がこぼれた。「完食されましたね」とうれしそうに接待の若い女性が器を下げていった。
machiya10.jpg machiya11.jpg
 妻と2人で白ワインも空き(通ではないので銘柄は失念)、ほろ酔い気分で風呂へ行った。ここにも演出があった。浴室内にも花が生けられ、ユーモアたっぷりの人形の焼き物が湯船のタイルを飾っていた。そして、部屋に戻ってソファーにだらしなく横になり音楽を聴いた。
 宿に着いてからというもの、時間が静かに優雅に流れていくのを五感で味わった。これこそが贅沢というものであろう。おかげで今回の旅はほぼ満点であった。旅立ちの朝、見送ってくれた主人に礼を言うと、「よく金沢におじゃましますが、旅館がシティホテルに押され駄目になっていくのを反面教師に工夫しています」とのこと。ほんと西富家みたいな宿が金沢にもあったらと、つくづく思った。
posted by ライターハウス at 20:31| Comment(2) | TrackBack(0) | 専務日記

2009年06月16日

ハミルトン島

 「世界で一番よい仕事」(The Best Job in the World)という求人タイトルで「管理人」を募集して話題になったオーストラリア・グレートバリアリーフのハミルトン島を、大前研一さんと視察してきました。

 まず、成田空港から格安航空会社ジェットスター(JAL、カンタス航空との共同運航便)でケアンズへ。所要時間は約7時間です。

airport.jpg

 ケアンズで国内線のカンタス航空に乗り換え、グレートバリアリーフの上を飛んで1時間余りでハミルトン島に到着。成田を夜出発し、翌日午前中にはホテルにチェックインできました。日本との時差は1時間です。

marina.jpg
 島内はホテルやビーチのあるリゾートサイドと、マリーナやレストラン、カフェ、ブティックなどのあるハーバーサイドに分かれています。といっても距離は近く、ホテルとハーバーサイドの間はゴルフカートのようなバギー(レンタルかホテルの送迎)やシャトルバスで行き来しますが、歩いても10分ぐらいです。
harbor.jpg

 宿泊施設は5つ星のパビリオンタイプから3つ星のコンドミニアムタイプまで、7つのバリエーションがあります。私たちが泊まったのは上から2番目のランクの『ビーチクラブ』。その名の通り、客室の目の前に白砂のビーチが広がり、エントランスロビーからの眺望はプールと海が一体化して見えます。
hotelpool.jpg

 驚いたのは、物価が何でもかんでも高いこと。ホテルの宿泊料金はもちろん、食事もフィッシュ&チップスが1000円、パスタやピザが2000円、シーフードやステーキが3000円ぐらいと日本のリゾート以上です。ダイビングやアウターリーフへのクルーズなどアクティビティの料金も非常に割高。島全体を単一企業が経営しているそうなので、競争がないのをいいことに、ぼったくっているとしか思えません。

 冬のオフシーズンだったのでゲストは少なく、見かけたのは新婚さん、熟年夫婦、家族連ればかり。おっさんグループの私たちは、完全に周囲から浮いていました。オージーが大半で、日本人の新婚カップルもちらほら。近くにハートの形をした珊瑚礁「ハートリーフ」や純白のシリカ砂に覆われた「ホワイトヘブンビーチ」があるので、新婚旅行には適していると思います。費用さえ気にしなければ・・・・。
posted by ライターハウス at 19:49| Comment(1) | TrackBack(0) | 社長日記

2009年05月30日

最強国家ニッポンの設計図

 私が構成を担当した大前研一さんの単行本『最強国家ニッポンの設計図』(小学館)が発売されました。

saikyou.jpg
最強国家ニッポンの設計図 大前 研一 (著)
小学館 1575円(税込)


 マレーシア、台湾、シンガポールなどの“国家参謀”として国づくりに関わった経験を持つ大前さんが、老大国となって制度疲労が目立ってきた日本を「最強国家」に作り変えるための具体的な「設計図」を提案しています。

 その骨子は次の通りです。
@年金と税金の抜本的な制度改革
A経済復興と産業振興の方策
B世界で通用する人材教育と雇用問題
C憲法改正と新しい国家のかたち
D多極化世界に対応する外交・防衛戦略
E21世紀の新経済原論

 上記の改革を実現していくために、大前氏は納税者の立場を代弁する国家レベルのシンクタンクとして『株式会社 ザ・ブレイン・ジャパン(TBJ)』を創設することを提言し、自ら動き出しています。

 このところ日本では、元首相の息子や孫ばかりが首相になり、この国の在り様と私たちの生活をどんどんおかしくしています。政治家が「家業」の彼らは、能力がないうえ、首相になるとそれで満足してしまい、国民のために日本を良くしようと一身を賭してはいないと思います。
 
 不幸なことに、次期総選挙で与野党どちらが勝っても、やはり首相は「元首相の孫」になってしまいます。かてて加えて2人の政策は?と言えば、「強く明るく」(麻生太郎氏)、「友愛」(鳩山由紀夫氏)という抽象的なキャッチフレーズだけで、「国家のかたち」を決める根本的かつ具体的な新しい「設計図」は全く示されていません。
 
「今こそ国民は政治家と政党と政府に対して本気で怒り、私がこの本で提示した『国家のかたち』そのものに関するアジェンダを、総選挙で政治の俎上に乗せることを要求していただきたい」
 出版にあたっての大前さんからのメッセージです。
posted by ライターハウス at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 社長日記

2009年05月14日

筆に限りなし

 かくも長くブログを休筆するとは…。「怠慢ですな」。そんな叱咤や「おいしい店をもっと紹介してよ」などの声に押され、久々登板の杉村です。とはいえ、今回は本について少々、書きます。

 ノンフィクション作家・加藤仁が書いた『筆に限りなし−城山三郎伝−』を読んだ。城山本人が寄贈した段ボール箱300箱の本や資料、書簡、メモと格闘し、戦友や読書会のメンバー、編集者らにも綿密な取材をし、浮き彫りにした伝記だけに読み応えがあった。
book1.jpg

 一途な軍国少年が見た軍の堕落と非人間性、敗戦でそれまでの価値観が全否定され嘗めた辛酸と苦悩からスタートし、経済小説という新分野を切り開き、国民的な大作家になっていくまでの人生が緻密に描かれている。城山礼讃に終始せず、突き放して描く著者のバランス感覚も、同業者の端くれとしてとても参考になる。

 振り返れば、新聞社のサツ回り時代(今から約25年前)に外相・広田弘毅を描いた『落日燃ゆ』を読んだのが、城山作品に触れた初めてだったと思う。加藤をして「城山の代表作」であり、極東裁判での絞首刑にも泰然と臨み、家族には「一切口を開くな」と遺言した広田の無私の精神に涙した。
book2.jpg

 次に読んだのが、国鉄総裁・石田禮助『粗にして野だが卑ではない』だ。本当に凛々しい明治の快男児で、気骨と格好よさに惚れた。文章が躍動しており、石田が目の前にいるかのような筆力にはたじろぐ。加藤は、この作品も城山の第一級の名作と評する。
book3.jpg

 『鼠−鈴木商店焼打ち事件』は、城山が歴史に挑戦した記念碑的な労作だ。書き出しから圧倒される。「歴史は、裁断好き、そして、少々感情的な女性である。深情もたのしかろうが、斬捨御免も覚悟しなければならない。たとえば、『鈴木商店』という名について、彼女は何を残したか」。城山は、昭和恐慌の引き金を引いた悪徳商社というレッテルがいかに誤りであったかを丹念に取材し、書いている。「何事も自分の目で確かめる」ことの大切さをしみじみと教えられる。
book4.jpg

 このほかにも、城山作品からいろいろと学ばせてもらった。ただ仰ぎ見るばかりの巨人だが、大家然とした気取りや威張る風もなく、@取材や待ち合わせ時間の30分前に到着A締め切りの1カ月前に入稿−を守り続けた城山。せめても、この点だけでも巨匠に近づきたいと思ってはみるのだが・・・
book5.jpg
posted by ライターハウス at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 専務日記

2009年03月24日

『こんな介護で幸せですか?』(小学館)発売

こんにちは、社員の城川です。

私が編集協力させていただいた新書が、小学館から発売されました。

kaigo.jpg
『こんな介護で幸せですか?』
中村寿美子(介護コンサルタント 介護情報館/有料老人ホーム・シニア住宅情報館館長)
小学館 756円(税込)



著者の中村さんは、老後の住まい選びや介護に関する相談を、これまで1万件以上も受けてきた介護コンサルタント。本書では多くの実例をもとに、知らないと絶対に後悔する「終の棲家」の選び方を紹介しています。

日本は高齢化社会なのに、有料老人ホームや介護施設は玉石混交で、介護保険のサービスも限定的。そういうお寒い状況の中で、自分が望むケアを受けながら、幸せに人生を締めくくるには、どうすればよいのか? 家族や自分が介護に直面した時に役に立つアドバイスやヒントも書かれています。

介護がテーマの本は重くなりがちですが、本書には幸せな老後を手に入れた高齢者の実例もたくさん登場します。「老いを受け入れて豊かに生きることもできる」という希望がわいてくる1冊です。
posted by ライターハウス at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 社員日記

2009年03月12日

『45歳からのクルマ選び』(小学館)発売

こんにちは、社員の釣です。

私が編集協力させていただいた単行本が、小学館から発売されました。
car for over age45.jpg
45歳からのクルマ選び
石川真禧照(自動車生活探検家/日本自動車ジャーナリスト協会副会長/2008-2009日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員)
小学館
1470円(税込)


「自動車が売れない」と言われているが、45歳以上の世代のクルマに対する情熱は高い。
そう実感した著者が45歳以上のクルマ好き、そして不況にあえぐ自動車メーカーに捧げる1冊です。
著者の石川氏は「自動車生活探検家」を名乗り、自動車をライフスタイルの観点から評価することを得意としています。試乗台数は年間250〜300台にも上ります。

同著では、著者オススメのクルマを独自の視点で評価しています。また、著者の豊富な経験や知識、そのクルマにまつわるエピソードがふんだんに盛り込まれているので、エッセイとしても楽しめます。

産業の裾野が広い自動車が売れるようにならないと、日本の景気は回復しません。
クルマの新規購入、買い替えを考えている方は、ぜひ、ご一読を!
posted by ライターハウス at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 社員日記